はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

4月に向けて彫刻制作:2回目④

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*「踊る狐」について書いた記事を貼っておきます。


【「ロサンゼルス・カウンティ美術館」に収蔵されている「踊る狐」】

この「踊る狐」は江戸時代に制作された【根付】なのですが、
シンプルでありながら何処かユーモラスなデザインをしています。
なので、自分の彫刻の先生が主催する「木彫教室」の作品展に、
この「踊る狐」を彫刻した物を出展する事にしました。
その為、まずは【材料の制作】と【彫刻用の絵の制作】から始めました。
補足:【根付】とは印籠に付けられたアクセサリーの事です。

【材料の制作】


画像は今回の彫刻に使用する「板の切れ端(種類:センダン)」
➀先ずは「板の切れ端」の所々にある加工に不向きな部分(「木の節」や「ひび割れ」や「腐食部分」など)を取り除く為に切断していきます。



画像は➀の工程が終わった後。


接着材が乾くまで「板の切れ端」同士を【クランプ】で固定。

➁「板の切れ端」から加工に不向きな部分を取り除く様に切断した後、
電動カンナや電動ノコギリなどを使用して接着面を加工します。
それから、接着面にボンドを塗って【クランプ】でしっかり固定します。



画像は「板の切れ端」同士を接着して制作した板。
③「板の切れ端」同士を接着して、また「板の切れ端」同士を接着する。
その工程を繰り返して、ある程度のサイズの板になったら、
最後に電動カンナを掛ける事で【材料の制作】の方は完了しました。


【彫刻用の絵の制作】


自分の手元にある「踊る狐」の写真。


画像は紙粘土で作った知り合いに「白いムーミン」と呼ばれた人形。

今回、彫刻しようと考えた「踊る狐」の絵を描こうと思ったら、
『あれ?狐の尾はどこから生えているんだ?』とか、
『うん?狐の右手と右肩はどうなっているんだ?』など、
色々とわからない部分が多かった為、絵が描けませんでした。
なので、紙粘土で簡単な「踊る狐」の人形を制作する事で、
狐の身体の構造を確認する事にしました。

 


画像は「彫刻する板」と「彫る時に使用する型紙」とクランプ。
「踊る狐」の写真と紙粘土で制作した人形を見ながら、
ようやく彫刻用の絵が描けました。
また、その絵が出来た事で「踊る狐」のサイズも決まりました。
なので、次回は【ノミ】と【電動彫刻刀】を使用する工程に入ります。

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4月に向けて彫刻制作:2回目③

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*今回の記事は前回の続きになります。

雛人形」を彫刻している時、
『彫刻の後にどんな仕上げにしようか?』と考えて、
自分の手元にある塗料を見たのですが、何かピンときませんでした。
なので、ホームセンターに行った時に塗料のコーナーを見ていたら、
『何か、着色するよりも「木の質感」を出した方がいいな』と、
考えて「まるたの純正荏油」を購入しました。

木に塗る「ニス」には色々な種類がありますが、
「木の質感」が一番出るのが【刷り込み型の油性ニス】です。
そして、【刷り込み型の油性ニス】も色々なメーカーが出していますが、
この「まるたの純正荏油」は少量でも販売しています。
なので、今回は「まるたの純正荏油:150ml」を使用しました。
補足:【刷り込み型の油性ニス】とは、布につけて塗る「ニス」の事です。


*「ニス」を塗る前に紙やすりで「雛人形」の表面を整えている途中。


*「ニス」を塗り込んで乾燥中。


*「雛人形」の仕上げをしながら「雛人形の台」も着色中。


雛人形」の方は完成しましたので、
次回は「作品展」に出す予定の「踊る狐」の制作について書いてみます。


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*自分の彫刻の先生が主催する「木彫教室」のHPを貼っておきます。

2024年・3月12日(火曜日) 『ひるおび』

昼食後、何気なくテレビをつけたら『ひるおび』という番組内で【新NISAで行う積み立て型投資】という内容を取り扱っていたのですが、
その内容が質が悪いと思ったので、その事について記録しておきます。


そもそも【新NISA】とは、ある種の制度であり、
その制度の使い方によっては結果は変わります。
なのに、『ひるおび』では司会者が、
「定期的に投資すると最終的にこれだけの利益になります」と言って、
出演しているタレント達が「ええ~すご~い」という反応する、
まるで通販番組みたいな感じで制作されていました。
また、そのやり取りの後に金融のプロが補足説明をしているのですが、
その説明内容には間違えた点はありません。
だからこそ、この番組は質が悪いのです!

さて、自分は投資を行っていますが中途半端な知識で行っていますし、
投資のセンスは無い人間です。
でも、そんな人間の目から見ても、
『ひるおび』の「新NISAで行う積み立て型投資」を見た時、
『よくもまあ、こんな内容で放送できるな~』と思ったので、
この様な記事を作成しました。

4月に向けて彫刻制作:2回目➁

*今回の記事は、前回の続きとなっています。

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【「ロサンゼルス・カウンティ美術館」に収蔵されている「踊る狐」】

昔、自分に彫刻を教えてくれた先生が主催する「木彫教室」の生徒さん達の「作品展」に、
今年も参加する事になりました。

なので、『どの様な作品を制作しようか?』と、考えて資料を物色していたら、
ロサンゼルス・カウンティ美術館」に収蔵されている「踊る狐」の画像を見た時、

『お?この狐の表情とポーズ良いな~。よし!今回はこれを彫ろう!』

と、思ったので「作品展」に出す作品は、この「踊る狐」に決めました。
そして、「踊る狐」を【自分流で制作した集成材】を使用して制作する事にしたので、
その「踊る狐」の制作に入る前に、

練習として集成材で簡単な「雛人形」を制作する事にしました。
補足:「踊る狐」については、1995年に発刊された「別冊:太陽」を参考にしています。

この【飾って楽しめる木彫入門】では、初心者でも簡単に彫れる作品が複数紹介されており、
本で紹介された「作品の設計図」も掲載されています。

なので、その本に掲載されている「雛人形」の「作品の設計図」をコピーして制作に入りました。


*集成材を糸鋸で加工した状態。


*「雛人形」の制作途中➀


*「雛人形」の制作途中➁

今回、制作している「雛人形」は木の質感を出したいと考えたので、
この後の工程は【飾って楽しめる木彫入門】で書かれた内容とは、
少し違う彫り方をする予定です。
なので、次回は完成した「雛人形」について書ければと思います。


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 *自分の彫刻の先生が主催する「木彫教室」のHPを貼っておきます。

4月に向けて彫刻制作:2回目➀


自分は昔、木彫を習っていた時期がありました。
そして、自分に木彫を教えてくれた先生は、今は岡崎で「木彫教室」を主宰しており、年に1回「木彫教室」の「作品展」を開催しています。
なので去年、その先生から
『うちの生徒さんの「作品展」に、はぐれ君も何か出してよ』
と、声をかけられて生徒さん達の「作品展」に参加しました。
そして、その流れで今年の「作品展」にも参加する事になり、
『今回は、どの様な物を制作しようか?』と、考えた結果、
【自分流で制作した集成材】に彫刻をしようと思いつきました。

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*前回の「作品展」について書いた記事を貼っておきます。

 


*「杉板の集成材」の画像

本来、集成材とは【小さな板材を接着して再構成された木材】の事です。

そして、その集成材を作るには特殊な方法で接着しなければいけません。
ですが、自分が思いついた方法は単純に【板の切れ端】をボンドで接着するという方法の為、強度もいい加減で見た目も綺麗ではありません。
なので、その集成材を使用した簡単な飾り棚を作った事はありますが、
今回の制作は「集成材の制作」と「彫刻のデザイン」を並行して進める事にしました。


*接着した【板の切れ端】をクランプで固定中。


*今回の彫刻のデザインに基づいて制作した「型紙」と「集成材」

さて、ここで改めて名言しますが、

自分の集成材の作り方は素人が素人なりに考えた代物です。
また、その集成材を作る時に【板の切れ端】同士を接着するのですが、
その接着面を毎回、微調整をするので時間が掛かります。
なので、木材加工を仕事にしている人から見ると、
『なんでわざわざそんな事をして、時間を無駄にするの?そんな事をやるぐらいなら、新しい材料を使用して彫刻した方が効率いいのに・・・』
と、思われても仕方が無い行為です。
でも、自分の思いついた事を、どうしても試してみたかったのです。

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*今回の彫刻のデザインは、この書籍に掲載されている作品を基にしています。

y-kitsutsuki.com*自分の彫刻の先生が主催する「木彫教室」のHPを貼っておきます。

【原作の映像化】について:おまけ


推理小説家:有栖川有栖が書いた「火村英夫シリーズ」】
このシリーズは、犯罪学者:火村英夫と友人の有栖川有栖が事件を解決するという内容です。
そして、このシリーズは2016年に「臨床犯罪学者:火村英夫の推理」という題名でドラマ化しており、自分は毎週欠かさずに見ていました。
というのも、このドラマは1話完結型で放送時間も1時間だった為、
寝る前にビールを飲みながら見ると丁度いい感じだったからです。

*「臨床犯罪学者:火村英夫の推理」の公式HPより画像引用。

日本テレビが制作した「臨床犯罪学者:火村英夫の推理」は「火村英夫シリーズ」の短編小説を1話完結型のドラマとして制作されています。
ですが、その1話ごとが間接的に繋っている様に話が構成されている為、
ドラマの1話から最終話まで見ると本来は別々の短篇小説なのに、
まるでひとつのドラマみたいに上手くまとめられています。
東野圭吾の「新参者」に近い構成だと自分は思います)
補足:中編小説「朱色の研究」が映像化された回は前編・後編となっています。

www.ntv.co.jp

また、このドラマの公式HPを見ると、
ドラマで使用された原作小説を各話ごとに表記されています。
なので、このドラマの制作に関わった人達は「火村英夫シリーズ」を、
脚本家がしっかりと読み込んでからドラマの制作に入っていると思います。
なので、原作小説の設定とは色々と違う部分もありますが、
このドラマは映像化の成功例だと自分は思います
ですが、日本テレビ局内では【臨床犯罪学者:火村英夫の推理】の制作に関わった人達は評価されなかったみたいですね。
何故なら、もしこのドラマを制作した人達が評価される会社だったなら、
【セクシー田中さん:脚本トラブル】なんて起きなかったからです。

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自分は【セクシー田中さん:脚本トラブル】は「バイトテロ」と同じだと捉えています。
というのも、飲食店のバイトが起こした「バイトテロ」のニュースを聞くと『ごく一部の馬鹿バイトがやらかした事』と、頭ではわかっていても、
その飲食店を使用する事を自分はためらってしまいます。
それと同じなんです。
つまり、『ごく一部の無能な制作陣がやらかした事』と、頭ではわかっていても、日本テレビが制作したドラマ(過去の作品も)を見ても楽しめないのです。
なので、日本テレビさん、もうやめませんか?ドラマを作るのを?
というのも、テレビ局やラジオ局などの【公共の電波】を使用する業者は「電波法」という法律を守らないといけませんが、
その法律に『ドラマを制作しないといけない!』なんて書いてませんよね?
なのに、何でわざわざドラマを制作するんですか?
そもそも、今回の事件の根本的な原因は、
日本テレビが馬鹿のひとつ覚えで何にも考えずに放送枠を埋める為、
複数のドラマを同時制作する事になり、その結果、
『原作を尊重する事も出来ない無能なドラマ制作班』に仕事が回った事が原因でしょう?
だったら、ドラマなんて作るな!それでも作りたいなら、スポンサーなんかつけずに局内だけで放送しろ!

さて、今回の記事は感情的な文章になってしまいました。
その点は反省をしています。
ですが、今回の事件を起こした脚本家やテレビ局。
そして、出版社に対する怒りを抑える事は出来なかったのです。


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【原作の映像化】について:後編

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*今回の記事は前回からの続きになります。

日本テレビで起きた【セクシー田中さん:脚本トラブル事件】
この事件は、脚本家・テレビ局・出版社の価値観が約80年前から変わっていない為に起きたと自分は思います。
というのも、この事件を知った時、自分は横溝正史のエッセイで書かれた【あるエピソード】を思い出したからです。
なので、今回はその事について書いてみます。

*上記の本を参考にして、今回の記事は作成しています。


『カッドー屋を相手にする場合、絶対にこちらの希望や主張は通らないと思え。かれらは勝手に原作をゆがめてしまうものだから、立腹しないように』
江戸川乱歩横溝正史に宛てた手紙の一部を抜粋。 

これは今から約80年前の話になります。
ある日、岡山に疎開中の横溝正史江戸川乱歩から手紙が届きました。
その手紙には『ある映画会社が、君の「本陣殺人事件」を映画化したいという事だが、どうだろうか?』と、書かれていました。
というのも、横溝正史江戸川乱歩が知り合いという事を、
その映画会社は知っていた為、映画化の話を江戸川乱歩に頼んだのですが、この話は映画会社と折り合いがつかず白紙になります。
ですが、今度は別の映画会社から映画化の申し込みがありました。
だけど、横溝正史疎開中の為、岡山からすぐには移動できません。
その為、横溝正史は「本陣殺人事件」の映画化に関しては、
自身の小説が映画化された事がある江戸川乱歩に一任しました。


*1947年に公開された「3本指の男」は片岡千恵蔵が主演、共演者は原節子でした。

その後、「本陣殺人事件」は「3本指の男」という題名に変更されて公開されましたが、映画の金田一耕助はソフト帽にスーツという服装でした。
また、犯行の動機が変更された事で小説に登場した「密室トリック」と犯人も変更されました。
なので、今の時代だったら『酷い原作改変』と言われたかもしれません。
ですが、当時はこれが普通でした。
何故なら、この時代は連合国軍による【検閲】があったからです。


1945年、日本は敗戦国となりました。
その為、日本は連合国軍の占領下におかれて【検閲】が行われました。
その結果、当時の娯楽映画のメインだった「時代劇」は、
野蛮な映画と連合国軍に認定された為、表現に色々と制約が入ります。
なので、映画会社は「探偵小説」の映画化を始めましたが、
その映画も勿論【検閲】されます。
なので、当時の映画会社関係者は【検閲】をクリアする為、
連合国軍の係員にも話がわかる様に原作を改変して映画を製作しました。
その結果、「本陣殺人事件」は「3本指の男」という題名になり、
金田一耕助はソフト帽にスーツを着た伊達男になりました。
また、犯行の動機も連合国軍の係員がわかり易い内容に変更されました。
そして、これは出版社でも同じ事が起きたと思います。
*連合国軍による【検閲】は1952年まで行われました。

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自分は、人々の考え方や価値観は時代によって変化すると思っていました。
ですが、そうではなかったみたいです
何故なら、1940年代の脚本家・映画会社・出版社が行った【原作改変】は連合国軍の【検閲】をクリアする為、というのが理由のひとつでした。
ですが、2020年代の脚本家・テレビ局・出版社はただ、
『昔の同業者も原作者の許可なく【原作改変】をしていたから、自分達も大丈夫でしょ?』という感覚で【原作】を取り扱っているとしか思えません。
つまり、言い換えるなら脚本家・テレビ局・出版社は約80年前から仕事の方法が変わっていないのです。
だから、自分は思うんです。
そんな業種の人達の価値観は約80年前から変わっていないと。


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【原作の映像化】について:前編


*LWTの「名探偵ポワロ」より画像を引用(ポワロを演じたデヴィッド・スーシェ


【ミステリーの女王アガサ・クリスティーが創作した名探偵ポワロ

このポワロが登場する小説は映画化やドラマ化もしていますが、
その中で自分が好きなのが、イギリスのロンドン・ウィークエンド・テレビ(通称:LWT)が制作したテレビドラマ版「名探偵ポワロ」です。
というのも、LWTが制作した「名探偵ポワロ」は脚本が良い為、
クリスティーの世界観を違和感なく楽しめたからです。


*LWTの「名探偵ポワロ」より画像を引用(ヘイスティングを演じたヒュー・フレイザー

さて、LWTが制作した「名探偵ポワロ」では、
ポワロの友人であり相棒でもあるヘイスティングという人物が登場します。
しかし、この2人は性格が全然違います。
その為、ポワロが『ヘイスティング、いつも言いますが・・・・』と、
小言を言い始めると『いや、ポワロさん。あのですね・・・・』と、
ヘイスティングが受け答えする場面がドラマ内では何回もあります。
ですが、この様な2人のやり取りは原作小説にはありません。
だけど自分は、このドラマが原作小説を改変したとは思いません。
何故なら、原作小説に書かれているポワロとヘイスティングの設定を脚本家がしっかりと捉えているからです。
その為、原作小説には無い2人の会話の場面を見ても、
『また、ポワロとヘイスティングが言いあってる』と、見ている方も自然と受け入れられるのです。

つまり、原作の設定をしっかりと捉える事が出来る脚本家なら、
原作の【手を加えてはいけない部分】と【手を加えていい部分】を明確にして脚本を書く為、原作の世界観を壊す事なく映像化できます。

では、原作の設定を捉えられない脚本家だと、どうなるのか?
その例として、LWTが制作した「名探偵ポワロ」の「オリエント急行殺人事件」で行われた改悪を紹介します。

アガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」】
この小説はアガサ・クリスティーの代表作であり、自分のお気に入りの推理小説のひとつです。
ですが、LWTが制作した「オリエント急行殺人事件」では、
何故かポワロが敬虔なキリスト教徒になっています。
その為、ドラマの途中に何度も神に祈るポワロの場面が挟まれていたり、
事件の真相を解明したラストシーンでポワロが、
『ああ!神よ!この様な決断をした私は正しかったのでしようか?』みたいな事を言って、このドラマは終わります。
なので、このドラマを見た後、以下の様な不満が湧き出ました。

『おい!自分が見たかったのは推理ドラマなんだよ!
それなのに何だ!この中途半端なドラマは!
それに、何でポワロがキリスト教徒になってんの?ポワロがキリスト教になったせいで、原作には無い場面を付け加えるに事になってんじゃん!』

つまり、何が言いたいかというと、
原作の設定をしっかりと捉えられない脚本家が脚本を書くと、
原作の【手を加えてはいけない部分】と【手を加えていい部分】を明確に出来ない為、原作の表面は取り繕っても違和感がある作品になるのです。
補足:「オリエント急行殺人事件」の制作前にLWTの体制が変更した事で撮影に何らかの影響があったかもしれません。

bunshun.jpさて、今回この様な記事を書いたのは【セクシー田中さん:脚本トラブル】という事件があったからです。
そして、この様な事件が起きたのは、脚本業界とテレビ局業界と出版業界は80年前から何も変わっていない為に起きたと自分は思います。
なので、次回はその事について書いてみます。


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京極夏彦の「地獄の楽しみ方」

【小説家:京極夏彦の「地獄の楽しみ方」】
この本は京極夏彦が「特別講座」で講義した内容を文書化している為、
京極夏彦の言葉や会話についての講義を聞く感じで読める本です。
ですが、この本を読んでいる時、
『あれ?もしかして、自分は落とされていないか?』と、感じたのです。
なので何故、自分がその様に感じたかについて書いてみます。


*映画「姑獲鳥の夏」より画像引用。
京極夏彦は様々な小説を執筆していますが、
その中に【「百鬼夜行」シリーズ】というシリーズがあります
このシリーズは、小説の題名に鳥山石燕の【画集「百鬼夜行」】に登場する妖怪の名前が使用されている長編推理小説であり、登場人物達の【思い込み】が重要な要素となっております。
では、その【思い込み】とは、どの様な物なのか?
例えば、こんな殺人事件があったと仮定してみてください。

衝動的に人物Aが人を殺してしまいました。
パニックになったAは事件現場から逃げ出しますが、その様子を人物Bが見ていました。ですが、BはAに好意を持っていました。
なので、BはAの犯行だとバレない様に事件現場に細工をするのですが、
そのBの行動を人物Cが見ていたのです。
なので、Cは『Bが人を殺した』と思い込み、友人であるBを庇う為、
Cは事件現場を密室にして帰りました。

これが推理小説でよく使用される【思い込み】のパターンのひとつです。

*映画「魍魎の匣」より画像引用。
さて、登場人物達それぞれの【思い込み】によって、
事件が複雑化する構成になっているのが【「百鬼夜行」シリーズ】です。
その為、主人公の京極堂が事件を解決する時には、
登場人物達それぞれの【思い込み】を指摘する事により、
その【思い込み】を落とします。
この行為を京極堂は【憑き物落とし】と言っていますが、
「地獄の楽しみ方」を読んでいると、読んでいるこちらが【憑き物落とし】をされている感覚になったのです。
だから、自分はこの本を読んでいる時、
『あれ?もしかして、自分は落とされていないか?』と、感じたのです。

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クリスティーの「予告殺人」(再編集版)

*今回の記事は、以前に書いた記事をベースに再編集した物になります。


BBCの「ミス・マープル」から画像を引用。

アガサ・クリスティーが創作した探偵:ミス・マープル
本来、彼女は【読み切り型】の連載小説の為に創作された存在でした。
しかし、読者からの評判が良かった為、クリスティーミス・マープルを主人公にした中編小説を何作も執筆しています。
ですが、ミス・マープルが登場する中編小説は推理小説でありながら、
群像劇的な要素が多いと自分は思います。
というのも、ミス・マープルは洞察力は鋭いけど、ただのお婆さんです。
その為、事件関係者はミス・マープルの事を『ただの話好きなお婆さん』と認識して色々な【お喋り】をミス・マープルとします。
なので今回は、ミス・マープルの【お喋り】が最も効果的に使用された小説「予告殺人」について書いてみます。
*群像劇とは、特定の主人公を設けずに構成された作品の事。

まず、この小説の内容を簡単に説明すると、
地元紙の広告に【殺人お知らせ申し上げます】という文章が掲載され、
その文章に記載された日時と場所で殺人事件が起きます。
そして、この事件に関わる事になったミス・マープルが事件の真相を解明するという流れです。

さて、自分がこの小説で一番印象に残った場面は、
ミス・マープルが事件の真相を事件関係者に説明する場面です。
というのも、この場面でミス・マープルは、
『あの人が犯人なのではないか?』と、疑い始める【きっかけ】となった〈ある人物との【お喋り】〉について説明をします。
なので、「予告殺人」を初めて読んだ時には、
『え!あの【お喋り】の場面には、そんな意味もあったのか!』と、
本当に驚きました。
また、この場面でミス・マープルは非常に印象的なセリフを言います。

『人生に恨みを持つようになると、その怨みの心が少しばかりの道徳力を徐々に壊してしまうのです』
『つまり、弱い人間っていうものは本当に自身の安全が脅されると、
恐怖のあまり狂暴になり、自分をおさえきれなくなくなってしまうものですからね』

このセリフは犯人について、ミス・マープルが説明した時のセリフです。
ですが、このセリフにはアガサ・クリスティー自身の【人生観】も反映されてるのではないか?と、自分は感じるのです。
というのも、ミス・マープルが初登場した「ミス・マープルと13の謎」を書いた時、クリスティーは『ミス・マープルは自分の祖母をイメージして執筆した』と明言をしています。
しかし、作家活動後期に書かれた寄稿文では『ミス・マープルは自身の分身みたいな存在』と、クリスティーは書いています。
そして、この小説はクリスティーが60歳の時に発表されているのです。
なので、ここからはあくまで自分の妄想なのですが、
この【予告殺人】からアガサ・クリスティーの中では、
『自分の祖母をイメージして創作したミス・マープル』から、
『自分をイメージして創作したミス・マープル』に変化したのではないか?

そして、その様な変化があったからこそ、
ミス・マープルの【お喋り】を最も堪能できる「予告殺人」が誕生したのではないか?と、自分は妄想をしてしまいます。

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ミス・マープルの初登場ついて書いた記事を貼っておきます。

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