久々に「BAR」で飲んだという事だけで、
レイモンド・チャンドラーの「長い別れ」と、
O・ヘンリの「失われた混合酒」についてブログで書いてみました。
その流れで今回は、1993年に発表された【バーにかかってきた電話】
という小説について書いてみます。
2011年に【探偵はBARにいる】という映画が公開されました。
主演は「大泉洋」。自分が好きな俳優のひとりです。
その大泉さんが主演しているとの事で、この映画を鑑賞してきました。
そして、この映画【探偵はBARにいる】の原作が、
小説家:東直己氏の【バーにかかってきた電話】という小説でした。
小説の内容を簡単に説明すると、
北海道の歓楽街ススキノを根城にしている、
自称【俺】が主人公の「ススキノシリーズ」の2作目になります。
主人公は、一応探偵なので身辺調査も行いますが、
それ以外に歓楽街特有のトラブル処理や、ちょっと非合法な事をする、
歓楽街ススキノの「何でも屋」みたいな男です。
そんな彼の元に、面識もない女から、簡単な仕事の依頼がきます。
その依頼を引き受けた事で、彼はある事件に巻き込まれていきます。
【探偵はBARにいる】という映画を見たことで、
東直己氏という小説家の事を始めて知りました。それから、
彼の作品を数冊読んでみたのですが、
彼の作風と自分との相性が悪い為か、自分にとって苦手な部分があります。
それは、小説に登場する様々な団体の説明部分です。
歓楽街ススキノが舞台の為、暴力団、右翼、半グレなど、
様々な非合法な団体が出てきますが、その団体の説明が長いのです。
なので、自分はその部分が出てくると、流して読んでしまいます。
でも、この【バーにかかってきた電話】に関しては、
他の「ススキノシリーズ」と比較すると、
話の構成がシンプルです。なので、自分が苦手な説明部分が短いです。
だから、逆に話の本筋が読みやすく感じます。
だから、この【バーにかかってきた電話】という小説は、
東直己氏の作品の中では、
一番、読みやすく面白い作品だと、自分は思います。