「ミステリーの女王」と言われたアガサ・クリスティー。
ある程度、彼女の推理小説は読んでいますが、
自分と相性が悪い小説が2作品あります。
その2作品とは「スタイルズ荘の怪事件」と「カーテン」です。
前回の記事では「スタイルズ荘の怪事件」について書いてみました。
なので、今回は「カーテン」という小説が何故、
自分と相性が悪いのか書いてみます。
この設定は簡単に説明すると、探偵が事件現場を調査するのではなく、
事件の情報を元に推理して、事件を解決する設定です。
そして、自分はこの設定の長編小説を読むのが苦手です。
何故、苦手かというと感覚的に何かモヤモヤするのです。
「安楽椅子探偵」という設定だと、主人公は事件の情報を聞くだけで、
頭の中では既に事件の謎に対して、その答えを出しています。
そして、自分が出した答えを確認する為に、色々な行動をします。
しかし、その行動は、
答えを知らない読者(自分)から見れば意味不明な行動です。
なので【何で、あんな行動を主人公はしたんだ?】という疑問が、
小説の始めから最後まで次々と出てきます。
そして、その疑問が次々と出てくる文章を読んでいくと、
何かモヤモヤした気分になって、小説の内容が上手く頭に入ってきません。
なので、自分は【安楽椅子探偵】という設定は、
短編小説には向いているけど、長編小説には向いてないと思います。
1975年に発表された「カーテン」は、
クリスティーが創作した探偵エルキュール・ポワロ最後の事件になります。
そして、この「カーテン」は安楽椅子探偵の設定で書かれています。
まず、この小説のあらすじを簡単に説明します。
主人公のポワロは病気と高齢の為、車椅子を使用しています。
その為、ポワロは事件の捜査を友人のヘイスティングに頼みます。
ヘイスティングはポワロの頼みを引き受けますが、
その途中でポワロに対して不満が出てきます。
まず、ポワロはヘイスティグに対して色々と指示しますが、
ポワロは既に犯人を特定しています。
なので、ヘイスティングはポワロに問い詰めます。
「ポワロ、犯人を知っているなら、せめて性別とか特徴とか教えてくれ!
君は僕に捜査してくれと頼むけど、僕は何も知らない状態で、
どうやって事件の捜査をするんだ!」
それに対してポワロは、
「犯人を教える事は出来ない。自分の指示通りに動いて、
その日に起きた事を全部、自分に教えてくれ」
というのみです。
その言葉を聞いて、ヘイスティングは困惑しますが、
それは読んでいる自分も同じ気持ちになります。
そして、これが小説の最後まで続きます。
何故、クリスティーが【カーテン】を、
安楽椅子探偵という設定にしたのかは、最後まで読めば理解はできます。
理解はできますが、この小説と自分の相性が悪い事には変わりません。
さて今回、この2冊を再読しようと思ったのは、
「スタイルズ荘の怪事件」と「カーテン」の2作品は、
小説の舞台が「スタイルズ荘」という邸宅です。
そこから、こんな疑問が頭に浮かびました。
【クリスティーは何故、ポワロの最初の事件と最後の事件の舞台を、
スタイルズ荘にしたのか?】
その為、この2冊を再読してみたのですが、
途中で読む事をやめてしまいました。(若い時は、最後まで読めたのに)
なので、この2冊と自分はどうして相性が悪いのか?
という内容で書いてみました。
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