はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

「池波正太郎:生誕100年」ていうけど・・・

ある日、図書館に行くと1枚のポスターが目に止まりました。

そのポスターには「池波正太郎:生誕100年」という表記と

仕掛人藤枝梅安」の映画について書かれていました。

そのポスターを見た時、自分は心の中でため息をつきながら、

こんな事を思いました。

池波正太郎:生誕100年という事で、
仕掛人藤枝梅安を新しい配役で映画を作ったの?

そんな事に労力と資金を掛けるぐらいなら、

雲霧仁左衛門をリマスターして再放送しろよ、フジテレビ・・・」

 

自分が小説家:池波正太郎の小説を読むきっかけになったのは、

中村吉右衛門鬼平を演じた「鬼平犯科帳シリーズ」からでした。
そこから、池波正太郎の小説を読み始めて、

池波正太郎の小説が映像化された作品も何本か見ました。
その映像化された作品の中で、自分が一番面白いと思うのが、

フジテレビで放送されたTVドラマ版「雲霧仁左衛門」です。


www.youtube.com

*1995年:TVドラマ版「雲霧仁左衛門」EDテーマ。
【雲霧仁左衛門】は何度か映像化されていますが、
このドラマは1995年に全15話の形式で放送され、

主役である仁左衛門を俳優:山崎努が演じています。

この作品は池波正太郎が1974年に発表した、
長編小説「雲霧仁左衛門」の前半部分をドラマ化した作品ですが、
このドラマの方が原作小説よりも面白いです。

というのも、映像化を手掛けた制作陣が優秀だからです。

原作小説では盗賊団:雲切一味の頭領【仁左衛門】が主人公の為、

盗賊団サイドを中心に書いています。
しかし、このドラマ版では盗賊団:雲切一味と火付け盗賊改方という

追う物と追われる物の構図をしっかりと見せる為に、

小説の一部を省略したり、小説には無かった場面を付け加えています。

その為、話自体がテンポ良く進んだり、話全体の緩急がついたり、

仁左衛門の過去を匂わす演出がされていたりと、
制作陣の拘りとセンスを感じる時代劇になっています。
補足:火付け盗賊改方とは現代でいう特殊部隊的な立ち位置の組織です。

そして、作曲家:梅林茂氏によるエンディングテーマが良いんですよ!

この記事を書いていたら「雲霧仁左衛門」を、また読みたくなりました。