進化生物学者:長谷川英祐が書いた「働かないアリに意義がある」は、
彼が研究している「真社会性生物」ついて書かれています。
まず「真社会性生物」について簡単に説明します。
「真社会性生物」とは女王を中心に形成した集団がまるで、
ひとつの社会みたいに機能する生物の総称になります。
そして、この著書では【真社会性生物】を形成する重要な要素として、
ある種のフェロモンについて取り上げています。
では、そのフェロモンについて、アリの事例を出して簡単に説明します。
例えば1匹のアリが大きな餌を見つけたとします。
餌を見つけたアリは「餌がある!運ぶぞ!」とフェロモンを出します。
すると周囲のアリが、このフェロモンに反応して餌を運びます。
つまり、アリ達はその場の空気を読んで行動をしているわけです。
そして、この行動はアリの社会全体にも適用されています。
では何故、アリ達はその場の空気を読んで行動しているだけのに、
指示された様な統率された行動できるのか?
この本では、この疑問について解りやすく書かれています。
補足:アリやハチはその場に応じて様々な化学物質を出しますが、
この著書では解りやすくする為、その化学物質をフェロモンと総称されています。
さて、この著書の題名には、
「働かないアリ」という言葉が使用されています。
何故、この言葉が使用されているかというと、
アリの社会では約3割のアリは常に働いていますが、
後の7割のアリ達はあまり働いていなかったり、
全然働いていないという事実が観察により確認されたからです。
では何故、働かないアリが存在するのでしょうか?
それはアリの社会を形成するフェロモンとも関係していますし、
更にアリの社会を長く維持する為の仕組みと解説されています。
アリやハチの様な「真社会性生物」が形成する社会と、
人間が形成してきた社会は当たり前ですが、全然異なる社会です。
でも、「真社会性生物」の社会の仕組みを知ると、
人間社会を少し違った視点で見れるようになれますよ。
補足:今回、紹介した本は2010年に発刊された本です。
なので、この著書で取り上げられている研究データーは古い物ですが、
そのデーターを前提にして、この著書が書かれているを事をご了承ください。