はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

馳星周の「黄金旅程」紹介

小説家:馳星周(ハセ・セイシュウ)の小説「黄金旅程」。
今回は、この小説について書いてみます。

2000年代初頭の北海道。この小説の主人公である蹄鉄師:平野は競走馬【エゴンウレア】の蹄鉄を依頼されます。

この【エゴンウレア】という馬は、G1などの重賞レースに出走すると、

2着、3着には入賞するが、どうしても勝ちきれない為、
競馬ファンからは”シルバーコレクター”と評されていました。
では何故、【エゴンウレア】はレースで勝ちきれなかったのか?
それは、この馬の気性があまりにも激しい為、並みの騎手では上手く調教がつけれなかった為です。しかし、麻薬所持で服役していた平野の幼馴染でもある元一流騎手:和泉が調教に参加する事で【エゴンウレア】を取り巻く人間達のドラマが動き出します。

さて、この小説の感想としては競走馬という存在の負の側面や厳しい現実についても取り上げていますが、話全体はテンポ良く進んでいくため、
自分は楽しくこの小説を読めました。
しかし、自分に競馬の知識があれば、更にこの小説を楽しめたと思います。


【黄金の旅路のその途上。できすぎの感すらある漢字名だった。】
 馳星周「黄金旅程」より抜粋。

この小説はフィクションですが、この小説に登場する【エゴンウレア】にはモデルとなった競走馬がいます。その馬の名は【ステイゴールド】。
そして、本のタイトルである【黄金旅程】とは、この馬の引退レースである【香港ヴァーズ(海外G1レース)】出走時のゼッケン(馬名表記)からきています。そして、この引退レースで【ステイゴールド】は5年という年月を掛けてやっとG1レースで勝利します。


www.youtube.com

*【ステイゴールド】引退レースの映像を貼っておきます。

この【ステイゴールド】ほど”終わり良ければすべて良し”という言葉が似合う競走馬はいないでしょう。

そして、改めて書きますが、
この小説は自分みたいに競馬の知識が無くても楽しめる小説です。
でも、競馬が好きな人は、更にこの小説を楽しめると思います。

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