はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

過熱した相場では何が起きるのか?(中編)


*今回の記事は【自分が解る範囲の事】しか書いていません。
また、記事を簡潔にしたかった為、仮定の設定をしたり省略している箇所もあります。
金利の変動や担保評価や債券売買の仕組みなど)
その点をご了承ください。

haguture.hatenadiary.jp

*今回の記事は前回からの続きになります。

リーマン・ショック」を題材にしたノンフィクション小説「世紀の空売り
この小説は2016年に映画化されており、
原作をあまり崩すことなく上手くまとめられた映画となっています。
ただ、映画では「ベネット」という人物の役割がうまく表現できていなかったので、
今回はその事について書いてみます。

*画像は公式サイトより引用。また、映画では原作に登場する人物名を変更しています。
まず、「世紀の空売り」を原作にした映画「マネー・ショート」では、
個人投資家「バーリー」
・銀行員(債権トレーダ)「ベネット」
・へッジファンド・マネージャー「バウム」
・元銀行員「リカート」
上記の4人が主な登場人物なのですが「バーリー」と「バウム」と「リカート」の3人は「モーゲージ債」の投げ売りが始まると予想して、
『投げ売りによって大混乱が起きた時は莫大な利益が出るチャンスでもある』と考えてそれぞれ行動を開始します。
すると、「バウム」の事務所に会った事もない「ベネット」から、
『ビジネスの話があるから会えないか?』と連絡が来たので訝しみながらも「バウム」は「ベネット」に会うと「ベネット」から以下の様な提案を受けました。

『「モーゲージ債」は大暴落するけど、今なら自分の紹介でうちの銀行とCDSができます。この話に乗りませんか?』

この提案を聞いて「バウム」は驚きました。
というのも、CDSとは【社債を対象とした掛け捨て保険契約】の事であり、
例えばA銀行がB社の発行した【10年後に所有者に1億円+金利がつく社債】を購入したとします。
でも、数年後にB社が倒産する可能性もある為、A銀行はB社の社債にC銀行が発行している【年間20万円の掛け捨ての保険】を掛けたので、
B社が倒産してもC銀行が債権分の1億円を保障するという契約だと思ってください。
つまり、「ベネット」の提案を要約すると、
『「モーゲージ債」が紙くずになる前にうちの銀行とCDSすれば年間保険料を支払うだけで億単の利益がでますよ!』という物でした。
だから、「バウム」は驚きながらも「ベネット」に問いかけます。

問1『そんなにうまい話なら貴方が会社を立ち上げてCDSをすればいいのでは?』
返答『自分が会社を立ち上げると半年はかかる。でも、その間に「モーゲージ債」の危険性が表面化したら、どの銀行もCDSなんかしませんよ。だから、今の自分が出来る方法で利益を出すだけです』

問2『もし、貴方の言う通りに「モーゲージ債」が大暴落したらCDSをした銀行。
つまり、あなたがいる銀行が大損しますよね?』
返答『銀行には忠誠心なんて持っていません。ただの職場ですから』
CDSの正式名称は「クレジット・デフォルト・スワップ」といいます。



その後、「べネット」は色々な金融関係の会社とCDSを結んでいきます。
つまり、言い換えるなら「べネット」は会社の上層部に何の話も通さずに危険性がある契約をどんどん結んでいるという事なのですが、
「べネット」が行った様な契約を他の銀行も取り扱うようになります。
何故なら、「べネット」の様な債券トレーダ達は「リーマン・ショック」が起きる少し前から「モーゲージ債」の売買契約数が減少しているのを見て、
『契約数は減少しているのに「モーゲージ債」の価格は高止まりしているから暴落するな・・・。だったら、何を売れば自分の評価が上がる?』と考えた結果、
『今の「モーゲージ債」は想定以上の高値がついているから暴落するぞ!という話にしてCDSを売り込むか・・・。でも、経営陣が気づくと止めてくるから気づく前にどんどん契約しちゃおう』と行動しました。
その為、「リーマン・ショック」の後の銀行にはCDSの支払いという多額の返済義務が課せられました。
なので、銀行からすれば『うちのトレーダ達は何を考えているんじゃ!?あいつらのせいで莫大な損失がでたぞ!』と思ったのでしょうが、
トレーダ達からすれば『「モーゲージ債」が売れないと自身の評価(収入UP)に繋がらないから営業成績を上げるためCDSをしただけ』
という考え方で稼げるだけ稼いで、その損失は銀行に押し付けたのです。

 

*今回の記事は上記の書籍を参考にしています。

さて、自分が始めて「世紀の空売り」を読んだ時、
トレーダ達の行為にドン引きしましたが、
今はトレーダ達の行為は、ある意味で正しいと思うようになりました。
何故なら、投資とは『ババ抜きみたいなものだ』と思うようになったからです。
なので、次回はその事について書いてみます。


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