*今回の記事は前回からの続きとなっています。
本来、推理小説や推理ドラマは、
主人公が事件の真相と犯人を特定する構成になっています。
ですが、推理小説や推理ドラマの中には、
事件の真相や犯人を最初から提示する形式があります。
この形式の事を「倒叙ミステリー」と言いますが、
この形式は言い換えると、事件の真相も犯人も読者や視聴者は知っているという【ネタバレ】した状態で始まるミステリーです。
なので、今回は「倒叙ミステリー」について改めて書いてみます。

アメリカのTVドラマシリーズ「刑事コロンボ」
このドラマは1968年から2003年の期間中に69本制作された【倒叙ミステリー】の代表的な作品です。
さて、このドラマの主人公である「コロンボ警部」ですが、
お世辞にもかっこいいとはいえません。
何故なら、警部の見た目は【よれよれのYシャツとネクタイに安物のレインコート】を着た【ぼさぼさの髪の毛に特徴的な猫背をした中年男性】です。
その為、事件を捜査している警部の姿を見て、
『こいつに俺のやった事なんて、わかるわけない!』と思う犯人もいれば、
『この警部、上手く騙せるな!』と思う犯人もいるわけです。
ですが、それは警部も重々承知しているのです。
何故なら、警部は『犯人はどんな人物なのか?そして、自分の事をどう思っているのか?』という事を意識して捜査をします。
なので、視聴者は犯人の性格や考え方を把握していくことになり、
【犯人が考えた犯罪がどの様に解明されていくのか?】という部分の面白さが増していきます。
ですが、この部分が前回の記事で紹介した「Wの悲劇」には少ないのです。
というのも、「Wの悲劇」は登場人物達の視点が変わりながら話が展開する群像劇的な「倒叙ミステリー」です。
なので、登場人物達の視点が変わりながら話が展開するのですが、
小説の構成的に登場人物達の描写が少ないと自分は感じました。
その為、自分は犯人の人物像の把握が出来なくて、
結末を読んだ時も『そうなんだ・・・』という感想しかありませんでした。
さて、改めて書きますが「Wの悲劇」は「倒叙ミステリー」の手法を取りながら、それを逆手にとった構成の作品です。
なので、「倒叙ミステリー」としては「刑事コロンボ」よりも面白い構成をしていると思います。
ですが、自分は【犯人の人物像と犯行の動機】がしっかりと書かれた作品の方が好きです。
なので、自分は推理小説の好みが偏っているのです。
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