はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

ハーン(小泉八雲)の「怪談・奇談」再読

1890年にひとりのギリシャ人が日本に来ました。

彼の名前は「ラフカディオ・ハーン」。

日本で生活を始めた彼は、日本に帰化して「小泉八雲」と名乗りました。

それから1904年に死去するまで、

彼は日本に存在する様々な「伝承」を集めて翻訳しました。
今回、再読したのは角川文庫のラフカディオ・ハーンの「怪談・奇談」。

この本の面白い点は、ギリシャ人のラフカディオ・ハーンが、

日本の「伝承」を翻訳した事で「怪談」に再構築された点だと思います。

本来、伝承という物は記録などは無く、

語る人、時代の変化により内容が変化して伝わります。
その伝承を、ハーンの視点で見直す事で、
伝承は怪談へと再構築されました。
この本は、ハーンの代表的な作品42編を編集した本になります。
その中で自分のお気に入りは以下の3編になります。


➀【安芸之助(アキノスケ)の夢】
ある日、安芸之助と友人は庭で酒を飲みながら、談笑していました。

ほろ酔いになった安芸之助は、少し寝てしまいます。その時、見た夢の話。

➁【破約】
病気で死にそうな妻に対して、男はある約束をしました。

その約束とは「妻が死んだ後、後添えを迎えない」という約束。

しかし、妻亡き後、男は親族からの声もあり、再婚します。その後の話。
③【常識】

ある所に経典の研究に余念がない、学識のある和尚がいました。
その和尚の元に狩猟を生業とする友人の狩人がやってきます。

2人で談笑していると、和尚がこんな事を言い出しました。

「最近、夜になると私の前に仏様が来られる。お前も見てみないか?」。

その話を聞いて、狩人は寺で一泊します。その夜のお話。

次回から、自分の独断と偏見を交えて、

この3編について書いてみたいと思います。