はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

「自己満足」について徒然と書いてみた:前編

 

1916年に公開された「イントレランス」という映画があります
この映画は「現代編」、「古代バビロン編」、「イエス・キリスト編」、「中世フランス編」という異なる時代の話がそれぞれに進行しながら、
最後にはひとつの結末へと向かう構成になっています。
そして、この映画で描かれている「現代編」とは、
映画が制作された1910年代のアメリカが舞台になっているのですが、
この「現代編」は、今の日本にも当てはまる内容だと思っています。
なので、今回はその事について書いてみます。


イントレランス」の「現代編」は、
【資産家の女性】の前に【ふたりの女性】が登場する場面から始まります。
そして、【ふたりの女性】は【資産家の女性】に対して、
『不景気の為、街中に孤児がいます。なので、貴方の善意で孤児院を作りましょう!」と、言い寄ります。
その結果、【資産家の女性】の資金で孤児院は建てられましたが、
その孤児院には保護すべき孤児はいませんでした。
でも、【資産家の女性】も【ふたりの女性】も孤児院を訪れる事は無かったのです。
何故なら、【資産家の女性】は、
『○○さん!貴方、孤児院を建てたの!?素晴らしいわ!』とか、
『○○さん!社会の事を考えているのね・・・』みたいな事を言われて、
『ああ・・・皆様が私の事を賞賛してくれる・・・』と、
自己満足に浸っていたからです。
そして、【ふたりの女性】は、
【資産家の女性】から孤児院をネタにして上手くお金が引き出せたので、
新しいスポンサーを探す為、街を去っていたのでした。
補足:「イントレランス」は非常に古い作品の為、登場人物のセリフもなく最低限の字幕しかない「サイレント映画」という事をご了承ください。


本来、困った人の為に【何かをする事】は素晴らしい行為です。
ですが、【イントレランス】の【現代編】では、
その行為はただの自己満足として描かれており、
今の時代にもしっかりと当てはまると内容だと思います。
何故なら、この映画が制作されて108年も経っているのに、
未だに『芸能人を餌にして募金を呼び掛けるテレビ番組』や『いい加減な申告をしても行政から資金が貰える法人』が存在して、そこに寄付金が集まるのが現実です。
だから、思うんです。
人間は変われない生き物なんだと・・・。
蛇足:自分は基本的には「募金」や「寄付」をしない人間です。
というのも、自分は顔も知らない人にお金を使うぐらいなら、
「周りの人」や「知り合い」にお金を使った方が良いと思っているからです。


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