はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

怪奇小説と推理小説の違いとは➀:再編集版

*今回の記事は、自分が以前に書いた「怪奇小説推理小説の違いとは」という記事を再編集した物になります。

1841年に米国の怪奇小説家:エドガー・アラン・ポーが発表した小説『モルグ街の殺人事件』が世界初の推理小説といわれています。
その為、推理小説という言葉の意味を調べると、
怪奇小説から派生した小説であり、事件・犯罪の発生と合理的解決への経過を書いた小説】と記述されています。

しかし、
怪奇小説推理小説事件や犯罪が起きる構成で書かれています。
つまり、怪奇小説推理小説の違いとは、小説内で起きた事件・犯罪に対して合理的解決への経過を小説家が
書くか書かないか?という点につきます。
なので今回は、江戸川乱歩の小説『地獄風景』を引き合いに出して、
推理小説における【事件・犯罪への合理的解決への経過】について書いてみます。

 

地獄風景

1931年に発表された江戸川乱歩の中編小説『地獄風景』。
ずは、この小説の内容を簡単に説明してみます。
ある資産家の家で
殺人事件が起きました。そして、その殺人事件を捜査する為に刑事が資産家の家に来て捜査を開始しますが、捜査の途中で事件関係者全員が「資産家が作った遊園地」に移動してしまいます。
その事を知り、慌てて刑事も遊園地に行くのですが、
そこでも殺人事件が起き、更に遊園地内で異常な事が起き始める。
と、いう内容です。

さて、この『地獄風景』で登場した刑事は事件を解決出来なかった為、
この小説は怪奇小説的な結末で終わります。
では何故、刑事は事件を解決できなかったのかというと、
それは刑事の置かれた状況が目まぐるしく展開してしまった事で、
刑事は事件全体を分析できない状況になったからです

ということは、刑事が事件全体を分析できる状況を自ら作れたら、
この刑事は事件を解決できて『地獄風景』は推理小説的な結末になったのではないでしょうか?。
つまり、推理小説の主人公には事件を調査して解決する為、
周りの状況を動かして物語を展開させる役割が与えられているわけです。
そして、この推理小説の主人公に与えられた役割こそが、
推理小説における【事件・犯罪への合理的解決への経過】にあたる部分です。しかし、読者に対して
【事件・犯罪への合理的解決への経過】を伝える役割は【主人公の助手】が担当しています。
なので次回は、推理小説における【主人公の助手】について
コナン・ドイルの『ホームズ・シリーズ』を引き合いに出して書いてみます。

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