*今回の記事は以前に書いた記事をベースに再編集した物になります。
1934年に発表された江戸川乱歩の「黒蜥蜴」
この小説は「名探偵:明智小五郎」が謎の女「黒蜥蜴」と対決するという内容です。
また、この小説は何度も映像化や舞台化をしているので、江戸川乱歩の小説でいちばん知名度のある作品だと思います。
なので、今回はこの「黒蜥蜴」について書いてみたいと思います。

まず、この謎の女「黒蜥蜴」の特徴をあげるなら、
・元祖ボクっ娘であり犯罪集団のボスでもある女。
・不測の事態が起きても変装術と機転で対処できる天才的犯罪者。
・子供の様な【残虐性】と【感受性】を持つ妖艶な美女。
という要素をあげることができますが、
実は誰も「黒蜥蜴」の本当の名前を知らないのです。
というのも、警察や明智小五郎は彼女の左腕に【黒トカゲ】の刺青があるので、
彼女を「黒蜥蜴」と呼んでいますが、
「黒蜥蜴」の手下は彼女のことを【マダム】とか【ボス】としか呼んでいません。
また、彼女が初めて明智小五郎と会った時は【緑川夫人】と名乗るだけで、
彼女の過去も名前も小説には書かれていません。
では何故、江戸川乱歩は彼女に名前をつけなかったのでしょう?
それは、彼女は『もうひとりの明智小五郎』だからです!

さて、ここからは順をおって妄想していきます。
まず、この「黒蜥蜴」が書かれたのは『自身の小説に娯楽要素をどう取り入れるか?』と江戸川乱歩が試行錯誤をしていた時期です。
そして、そんな時期に江戸川乱歩は【探偵と犯人との頭脳戦】という構想を思いつくのですが、江戸川乱歩が創作した「名探偵:明智小五郎」とは頭脳明晰で変装の名人でもあり数々の難事件を解決してきた存在です。
なので、江戸川乱歩は、
『明智小五郎と互角の勝負ができるのは明智小五郎しかいない!』と思いついて、
「名探偵:明智小五郎」の性別と職業を裏返して誕生したのが「黒蜥蜴」なのではないか?と自分は妄想してしまうのです。
*今回の妄想は「創元文庫版:黒蜥蜴」に編集されてる【江戸川乱歩の文章】と【白峰良助氏の解説文】を参考にして書いています。
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*画像は林唯一氏による「創元文庫版:黒蜥蜴」の挿絵。
あと、ここからは蛇足になりますが、
「黒蜥蜴」は映像や舞台では【黒衣のドレスを着た美女】として描かれていますが、
自分はその描かれ方に少々不満があります。
というのも、原作では「黒蜥蜴」が「名探偵:明智小五郎」に初めて会った時、
正体を見破られて捕まりそうになるのですが、
「黒蜥蜴」は青年紳士に変装してその場を切り抜ける場面があります。
なので、自分の中では「黒蜥蜴」は【身長が高くてスーツの似合う美女】というイメージなのです。
だから、個人的には宝塚歌劇で男役トップが演じる「黒蜥蜴」を見てみたい!と思っています。
補足:宝塚歌劇で「黒蜥蜴」は舞台化はされていますが、その時は娘役トップが「黒蜥蜴」を演じています。

