はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

江戸川乱歩

東元の「江戸川乱歩・怪奇短編集」紹介

江戸川乱歩の小説を原作にした漫画は何作か発表されています。 そして、発表された漫画の中で自分が気に入っているのが、東元(アズマ ゲン)の「江戸川乱歩・怪奇短編集」という漫画です。今回は、その漫画について書いてみます。 江戸川乱歩怪奇短編集赤い…

江戸川乱歩の「赤い部屋」紹介

推理小説やテレビドラマでも使用される設定に【プロバビリティの犯罪】というのがあります。 この【プロバビリティの犯罪】とは可能性の犯罪という意味です。 そして、この「プロバビリティの犯罪」をテーマにして、 分かり易く書かれた小説が、1925年に…

江戸川乱歩の「陰獣」について、更に妄想してみた➁

【いにしへは猫魔(ネコマ)と云へり、猫と云へるは下を略し、 こまといへるは上を略したなるべし、ねこまたとはその経あがりたる名なり。 陰獣にして虎に類せり】 「百物語評判」3巻「徒然草猫またよやの事」の章より抜粋。江戸川乱歩の【陰獣】という小説…

江戸川乱歩の「陰獣」について、更に妄想してみた➀

江戸川乱歩の「陰獣」を再読した事で自分は、 【この小説は江戸川乱歩が数年後に発表した【黒蜥蜴】のプロトタイプだったのではないか?】と考え始めました。今回は、その事について書いてみます。 前回の記事にも書きましたが、この「陰獣」という小説は、…

江戸川乱歩の「陰獣」再読の訂正版

*自分のブログで江戸川乱歩の「陰獣」について書いた記事があります。 しかし、記事の一部分が江戸川乱歩の作品年表と比較すると、 矛盾している事に気付きました。 なので、前回の記事の一部分を訂正した記事を改めてアップします。 陰獣~江戸川乱歩全集…

江戸川乱歩は「何の天才なのか?」③

前回の記事で、普通の人には何気ない事も、江戸川乱歩にとってはスリルであり、そのスリルが乱歩自身の小説に反映されていき、 読者は江戸川乱歩の小説を読むことで、 乱歩のスリルに共感して、日常に隠れたスリルを認識すると書きました。 なので今回は、江…

江戸川乱歩は「何の天才なのか?」➁

前回の記事に書きましたが、江戸川乱歩が認識しているスリルと、 普通の人が認識しているスリルは違います。 今回は、その事ついて書いてみたいと思います。 まず、スリルという単語を辞書で調べると【ぞっとする感じ】 【ハラハラする感じ】【戦慄】を指し…

江戸川乱歩は「何の天才なのか?」➀

自分はブログを始めてから、 他の方が書かれたブログにも目を通す様になりました。 その中の1人に「ぐるぐるねこ男」さんという方がおられます。 この方のブログで「江戸川乱歩」について書かれている記事がありました。 自分にとっても、江戸川乱歩は好きな…

江戸川乱歩の「踊る一寸法師」について

怪奇小説家:エドガー・アラン・ポーは以前のブログで書きましたが、 推理小説の原型と呼ばれる小説を書きました。 そして彼が書いた小説は、様々な小説家に影響を与えました。 その影響を受けた小説家には、江戸川乱歩と横溝正史も含まれています。今回は、…

江戸川乱歩の「芋虫」を再読したら、思い出した事。

陰獣 芋虫 (江戸川乱歩集) 作者:江戸川 乱歩 東京創元社 Amazon 今回は、江戸川乱歩の短編小説「芋虫」について書いてみます。 でも、この小説の内容でありません。 この小説を読んで思い出した事について書いていきます 今から20年くらい前なのですが、 …

江戸川乱歩の「陰獣」について

陰獣~江戸川乱歩全集第3巻~ (光文社文庫) 作者:江戸川 乱歩 光文社 Amazon 江戸川乱歩の小説で1928年に発表された「陰獣」という小説があります。この小説は、特殊な構成で書かれた小説だと自分は考えます。 まずは、小説のあらすじを簡単に説明します。 …

江戸川乱歩の「怪奇小説」を読みたければ、この1冊。

自分は江戸川乱歩の小説が好きです。 そして、江戸川乱歩の小説は、複数の出版社が文庫化しています。 その中で自分のお気に入りは、角川ホラー文庫版の「鏡地獄」です。 鏡地獄―江戸川乱歩怪奇幻想傑作選 (角川ホラー文庫) 作者:江戸川 乱歩 角川書店 Amazo…

江戸川乱歩について勘違いしていた話(自分の黒歴史)

もう35年以上前の事になりますが、当時の自分は江戸川乱歩について『ある勘違い』をしていました。なので、今回はその『ある勘違い』ついて書いてみます。 自分が小学生の時、学校の図書室に【怪人20面相】があり、その本がきっかけで自分は江戸川乱歩の…

江戸川乱歩の「黒蜥蜴」再読

黒蜥蜴 (江戸川乱歩文庫) 作者:江戸川 乱歩 春陽堂書店 Amazon 江戸川乱歩の「黒蜥蜴(クロトカゲ)」という作品は、江戸川乱歩が書いた娯楽的な小説の代表作です。イメージ的にいうと、「ルパン三世」でしょうか?小説の内容は、江戸川乱歩が創作した探偵「…

江戸川乱歩の「人でなしの恋」再読

江戸川乱歩名作選 (新潮文庫) 作者:乱歩, 江戸川 新潮社 Amazon 江戸川乱歩の「人でなしの恋」という短編小説。前のブログで「お気に入りの江戸川乱歩の作品」で、この「人でなしの恋」もお気に入りの作品のひとつと書いたんですけど、再読したら「あれ?そ…

江戸川乱歩の「盲獣」再読

盲獣 (江戸川乱歩文庫) 作者:江戸川乱歩 春陽堂書店 Amazon 自分は推理小説の中で「快楽殺人者が犯人」という設定は、自分とは相性が悪いです。何故、相性が悪いのか?それは犯人が殺人に対する動機がないと、小説的に面白くないからです。でもこの「盲獣」…

江戸川乱歩の「人間椅子」再読

人間椅子 (江戸川乱歩文庫) 作者:江戸川 乱歩 春陽堂書店 Amazon フェチ(フェティシズムの略称)とは、「特定の物や状態に、強い性的興奮を覚える事」とあります。 江戸川乱歩はフェチの概念を、自分に教えてくれた作家です。その代表作で【人間椅子】とい…

お気に入りの江戸川乱歩の作品

「フェチ」とは、異性の身体的あるいは装飾的なパーツや要素に対して特に性的魅力を感じる傾向・趣味・性癖の事を表す。と辞書にありました。自分の推理小説の好みをアガサ・クリスティーが形成しました。そして、自分に「フェチ」の概念を教えてくれたのが…