はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

【クトゥルフ神話】て、結局何なんだろう?➁

*自分はラヴクラフトの小説は、ほとんど読んでいますが【クトゥルフ神話】というジャンルに関してはあまり知識がありません。その点をご了承ください。
アメリカの怪奇小説家:H・P・ラヴクラフト
彼は『自身が創作した神話の世界観』を自分の小説に使用しました。
そして、そのラヴクラフトの小説が二次創作され続けた結果、
ラヴクラフトが創作した神話の世界観』の設定は増え続けました。
なので今回も、その事について書いてみます。

haguture.hatenadiary.jp

前回の記事で書きましたが、
ラヴクラフトは交友関係がある小説家達とサークルを形成しており、
このサークルでは小説家同士が合意の上で色々と行っていました。
そして、このサークルにいたO・ダーレスが、
ラヴクラフトの小説を体系化した事が【クトゥルフ神話】の始まりでした。

オーガスト・ダーレス - Wikipediaより画像を引用。

O・ダーレスはラヴクラフトの死後、
ラヴクラフトの小説を【クトゥルフ神話】として体系化した人物であり、
ラヴクラフト作品の校訂者的な立場の人物でもありました。
その彼が『クトゥルフ神話の世界観』を以下の様に定義しました


大古の宇宙には善神と悪神がいて互いに反撥している。
そして、大古の地球には現在の人類とは異なる存在が住んでいたが、
黒い魔術を使用した事で善神の怒りを受けて宇宙に追放された。
しかし、その残党は今も海底の石都などに潜伏していて、
追放された一族と呼応して、人類から地球を奪還して、
再び支配者として復帰する機会を伺っている】


さて、ラヴクラフトの死後、
クトゥルフ神話】の小説が複数発表されましたが、
それはO・ダーレスが定義した『クトゥルフ神話の世界観』に倣って書かれた小説です。(ダーレスも定義に倣った【クトゥルフ神話】を何作か書いています)
ですが、ラヴクラフトの小説には、
O・ダーレスが定義した『クトゥルフ神話の世界観』は当て嵌まりません。
何故なら、ラヴクラフトの小説には【別次元の存在】や【旧支配者(太古の宇宙生命体)】といった存在は登場しますが、
【善神と悪神がいて互いに反撥している】とか【黒い魔術を使用した事で善神の怒りを受けて宇宙に追放された】などの設定はありません。
では、O・ダーレスが定義した『クトゥルフ神話の世界観』とは何なのか?と、思うかもしれません。
ですが、自分はこの定義があったからこそ、
ラヴクラフトの小説は【神話】と呼ばれる様になったと考えています。


そもそも、【神話】とは人類に文字が無い時代から存在する物語であり、
伝わった地域の文化と融合する事を繰り返してきました。
そして、それと同じ様な事がラヴクラフトの小説にも起きました。
つまり、O・ダーレスがラヴクラフトの小説を体系化して『クトゥルフ神話の世界観』を定義した事で【クトゥルフ神話】はマニュアル化したのです。
そして、このマニュアルに倣って創作された【クトゥルフ神話】は創作者のセンスと融合する事を繰り返してきました。
なので、自分は【神話】と【クトゥルフ神話】は類似していると思いますが、この記事を読んでくれた貴方はどう思いますか?

*上記の2冊を参考にして今回の記事は作成しました。


*記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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