はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

クリスティーの「オリエント急行殺人事件」再読(再編集版)

*今回の記事は以前に書いた記事をベースに再編集した物になります。

*「オリエント急行殺人事件」は何度も映像化をしていますが、自分は1974年に公開された「オリエント急行殺人事件」が一番好きです(イングリッド・バーグマンをこの役に使うんだと驚きました)


1934年に発表されたクリスティーの【オリエント急行殺人事件
この作品も【ある意味】で有名な小説の為、読む前から犯人だけ知っていました。
だから、初めて読んだ時は『どんな展開で犯人が判明するのか?』と、
思いながら読んでいました。
そして今回、改めて「オリエント急行殺人事件」を読み直してみると、
この小説は【嵐の山荘】の設定をしている事に今更ながら気づきました。
なので、その事を認識しながら小説を読んでいると、
名探偵ポワロの以下のセリフが非常に【意味深なセリフ】だと感じたのです。

『この事件で僕が非常に面白く感じていることは、
 当然、警察が行使できるはずの事が全然行使できない事だ。
 我々は事件に関係ある人々の身元を調査する何の手段も講じられない。
 単に本人の供述に従って、推定するだけだ』

補足:【嵐の山荘】とは以前に書いた「獄門島」の時にも書きましたが、
何人かの人間が外部から遮断された状況で事件が起きる設定の事をいいます。
haguture.hatenadiary.jp

 

この小説の内容を簡単に説明すると、
【国際寝台車オリエント急行】が豪雪の為、線路上で立ち往生してしまい、
更に車内で刺殺体が発見されます。
そして、列車の乗客達は事件現場に閉じ込められた状況であり、
外部との連絡もとれない状況です。
その為、事件捜査の為に乗客達に話を聞いても、
ポワロは乗客達の身元も証言の裏付けも出来ない状況です。
なので、ポワロは乗客達の証言を聴いて、
『この人物が隠している事はなんだ?』とか『この人物の身元は証言通りなのか?』など推定する事だけで事件を解決するしかない状況です。


さて、この小説が発表される以前から【嵐の山荘】は色々な作品で使用されています。
しかし、ポワロの【意味深なセリフ】を読んだ時に自分は、
『クリスティーは、今までとは違う【嵐の山荘】を書きたかったのではないか?』
と、思ったのです。
そして、それを突き詰めて書いた結果が、あの結末だったのではないか?
再読して、そう思う様になりました。

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