はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

小泉八雲の「常識」紹介


「自分が解らない事には、投資しない事」。

この言葉は投資家:ウォーレン・バフェットの言葉です。

確かに「自分が解らない事」には、投資をしない事は当然の事です。

しかし、その逆もあるわけです。

つまり、【その事を解っている人間でも、騙される】という事実です。

今回、紹介する小泉八雲の【常識】は、その事について書いています。


まずは、この話の内容を簡単に説明します。
ある所に黙想と経典の研究をしている、学識ある和尚がいました。
その和尚の元に、信徒でもある猟師が尋ねってきた時の話。
一通りの談笑をした後に、和尚が言いました。


【ここ数日、夜になると何故か仏様が来られる。

 儂が長年に渡り仏教の教えを、実行してきた事に対する評価なのか?

 そして、今夜も仏様が来られると思うので、お前も一諸に拝まないか?】

和尚に聞かれ、狩人はその事を了承して、お寺に泊りました。

そして、夜になり、和尚の言う通りに仏様が現れました。
和尚は仏様の姿を見て拝んでいましたが、猟師だけは違いました。

猟師は弓を構えて仏様に向けて矢を放ちました。

そして、仏様の姿は消えました。

この行為に激怒した和尚に対して、猟師は言いました。


【私は無学な猟師で、殺生が生業です。

 そして、命をとる事は仏の教えに反した行為だと知っています。

 そんな私でも、あの仏様の姿が見れました。つまり、あれは偽者です】

夜が明けると、矢が刺さった大狸の死骸が見つかりました。

この話では、学識のある和尚は騙されて、

学識はないけど、原則を守っていた猟師は騙されませんでした。

これは投資においても、よくある話です。

投資の勉強をして、投資について知る事は必要な事です。

しかし、その投資手段について、勉強をすればするほど、

その投資手段に自信を持ってしまいます。そして、

自分の投資手段に自信がある投資家ほど、

相場の流れが急変した時に、損出をだす傾向があると思います。

まあ、投資に関してはセンスがないと自負している、

自分が言っても説得力なんてありませんが、「常識」を久々に再読したら、

こんな事を考えてしまったので、書いてみました。