はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

横溝正史の「犬神家の一族」➀

自分は推理小説家:横溝正史金田一耕助シリーズが好きです。
なので、このブログを始めた頃に『お気に入りの横溝正史の作品』という記事を書いたのですが【犬神家の一族】は入れませんでした。
というのも、犬神家の一族=007という印象が自分にあるからです。
なので今回は、その事について書いてみます。

haguture.hatenadiary.jp

角川映画犬神家の一族」より。
上の画像は「犬神家の一族」に登場する【犬神佐清(スケキヨ)】の遺体が発見された場面ですが、原作では湖に氷が張っています。
というのも、「犬神家の一族」の舞台は10月~12月の長野県であり、
【スケキヨ殺害】は12月、つまり冬に起きたからです。
そして【スケキヨ殺害】の数日後に事件の最重要人物が雪山に逃亡した為、
警察と金田一耕助が追跡する場面があるのですが、
映像化された【犬神家の一族】では雪山の追跡場面は省略されています。

角川映画版の金田一耕助の服装。
金田一耕助といえば何時も【よれよれの着物と袴】という服装です。
そして原作では、この服装にスキー靴を履いた金田一耕助が登場します。
ですが、映画の制作陣は以下の様な事を考えたのではないでしょうか?

【おどろおどろしい雰囲気で撮影してきた「犬神家の一族」の映像に、

何時もの服装にスキー靴を履いた金田一耕助の映像を入れるの?
だって、この後に事件の真相が明かされて更におどろおどろしくなるのに、
原作通りにスキー靴を履いた金田一耕助を登場させたら、
何か映画全体がちぐはぐな印象にならないか?】

*1970年代に角川映画が製作した「金田一耕助シリーズ」は全部おどろおどろしいですが「犬神家の一族」はその中でも特におどろおどろしい作品だと自分は思います。
(菊人形の場面を映像で見た時、本当に怖かった)



www.youtube.com

さて、ここからは自分の話になります。
今から20年前、自分は映画:007シリーズにハマっていました。
そして、そのシリーズに【美しき獲物たち】という作品があるのですが、
この作品はジェームズ・ボンドの派手なスキーアクションから始まります。
そして自分は、この作品を鑑賞した後に【犬神家の一族】を読んだ為、
雪山の場面を読んでいる時、何故か金田一耕助ジェームズ・ボンドばりのアクションで犯人を追跡する!みたいな場面を想像してしまいました。
それ以来、自分は犬神家の一族=007という印象になってしまいました。


角川映画版の【犬神佐清(スケキヨ)】の画像。
さて、「犬神家の一族」は『金田一耕助シリーズ』の中では一番有名な小説です。
そして、その理由として考えられるのは【犬神佐清】の一目見たら忘れられない存在感が関係していると思います。
なので、次回は【犬神佐清】について書いてみたいと思います。

*記事を読んでいただき、ありがとうございます。
 只今、グループの新機能「ランキング」に参加をしているので、
 お手数ですが下記バナーをクリックをしていただけると励みになります