はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

A・M・リンドバーグの「海からの贈り物」紹介

今回、書いてみるのは、

A・M・リンドバーグが書いた短編小説「海からの贈り物」。

この小説は面白いかと聞かれたら、面白くないです。

そして、この小説を分類するなら、私小説なのか?エッセイなのか?

正直、どこに分類していいか、よくわからない小説です。

しかし、文章の所々が印象的な小説です。

 

この小説は、女性が浜辺にいる場面から始まります。

彼女は、浜辺に流れ着いた貝殻を拾います。
その貝殻を見つめて、彼女は自信の事を振り返ります。

後日、新しい貝殻を拾ってまた、彼女は自身の事を振り返ります。

その行為を、繰り返す事で彼女は、自分が何を求めていたのか?

と、考え始めます。

そして最後には、浜辺から家族のいる街に帰って終わります。


この小説では何故、彼女が浜辺に来たのかは、書かれていません。

彼女の置かれた状況にも、言及されていません。

彼女はただ、浜辺に滞在して自分自身について、考えているだけです。
そして、家族の元に帰る時にも、明確な理由はありません。


さて、著者がこの小説で書きたかった事は、何だったんでしょう?

自分的には【著者は、「この事」を書きたかったんだな~】と感じて、

更に、この小説が発表された1967年時点で、

「この事」について書かれているという事に、素直に驚きました。
でも、これは自分の感想。

人によっては、自分とは全然違う捉え方をすると思います。


今回、改めて読み直してみても、

この小説は面白いかと聞かれたら、面白くないです。

しかし、文章の所々が印象的で、自分にとっては忘れられない小説です。