はぐれの徒然なるままに(仮)

肩こりと老眼が進行中の中年男性による回顧録

江戸川乱歩の「踊る一寸法師」について

踊る一寸法師

怪奇小説家:エドガー・アラン・ポーは以前のブログで書きましたが、

推理小説の原型と呼ばれる小説を書きました。

そして彼が書いた小説は、様々な小説家に影響を与えました。

その影響を受けた小説家には、江戸川乱歩横溝正史も含まれています。
今回は、その事について書いてみます。

haguture.hatenadiary.jp

ポーが創作した短編小説に、

「繋がれた8匹のオランウータン」という小説があります。

この小説のあらすじを、簡単に説明します。

ある宮廷に仕える道化師がいました。その道化師は毎日、毎日、

王様と7人の大臣に叩かれて、怒鳴られて、からかわれていました。

でも、道化師はどんな目にあっても、ヘラヘラ笑っていました。

しかし、道化師の友人が自分と同じ目に合った時、

道化師の何かが切れました。そして、王と7人の大臣にある提案をします。

補足:この小説の和訳版だと、作品の題名が「ちんば蛙」のバージョンもあります。

また、出てくる人物が道化師ではなく、小人症の男バージョンもあります

このポーの小説から影響を受けて、

江戸川乱歩は「踊る一寸法師」という短編小説を書き、

横溝正史は「魔女の暦」という小説の中で、ポーの小説を引用しました。

江戸川乱歩の【踊る一寸法師】は、

小説の舞台を宮廷からサーカス団に変える事により、

退廃的で破滅的だけど、どこか幻想的な小説になりました。

横溝正史の【魔女の暦】という小説では金田一耕助が、

先天的マゾヒズムの人間が、サディズムに変化した時に起きる心理状況を、

このポーの小説を引き合いに出して、事件関係者に説明しています。


ポーの短編小説「繋がれた8匹のオランウータン」と、

その小説から影響を受けた、江戸川乱歩横溝正史が書いた2つの小説。

ポーの短編小説と2つの小説の関連性については、

前々から書いてみたかったので、書いてみました。